アパレル海外生産の円安の影響と対策とは?品質を落とさないで付加価値をつける考え方

2022年の春先から急激な円安が進みました。

同年の3月はじめが1$=115前後、11月にはMAX150までになりました。その後一旦は落ち着きましたが2025年1月現在は155円前後で推移しております。

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アパレル海外生産における円安の影響とは?

私たちは主に中華圏(台湾、中国)で靴下を製造しています。

国際通貨である米ドルで取引をしており、日本円で米ドルを買う必要があります。

米ドルに対して日本円の価値が下がるのが円安です。

ドルを調達するのにより多くの円が必要になるため価格があがってしまいます。

海外製造における円安の対策とは

あらかじめ米ドルを購入しておく

あらかじめ米ドルを購入しておけば、そのときのレートにて金額の固定ができるので、さらに円安が進んだときのリスクをヘッジすることが可能です。

米ドルを購入時よりも円高になると損失が出ます。

日本国内の工場で生産する

日本国内生産に切り替えると為替の影響が少なくなります。

ただ各種機械を動かすのに必要な油や糸などの原材料を海外から輸入が必要な部分について間接的な影響があります。

また日本は世界で一二位を争う少子高齢化国になります。

アパレル産業にも高齢化の波が押し寄せており、キャパシティを確保できるかどうかの問題もあります。

ドル以外の通貨で決済を行う

2022年急激な円安が進み、毎晩眠れない夜を過ごしていました。

「対ドル以外の通貨だと下落率はどのくらいなんだろう」

夜中にふとおもいついて調べました。

そこで見つけたのがトルコリラです。

ドルに対する日本円の下落率が約26%なのに対して、トルコリラは日本円に対して88%下落しています。(2022年3月と2025年1月の比較)

「ここれは」と思って、トルコで工場を探しました。

共に通貨が下落している国同士で取引を行えば円安ドル高に苦しむことがなくなるではないかと思いました。

しかしながら自国通貨の価値が下がり、輸入品の価格が暴騰している状況下でリラでの取引を受けてもらえませんでした。

リラ取引は叶いませんでしたが、実際トルコで製造を行い、トルコ製靴下の良さを知ることができたのは大きな収穫でした。

現在もトルコとの取引を本格化すべくトルコ語を学んでいます。

品質を落とさないで付加価値をつける考え方

最近これ以上売価をあげられないので品質を落としても価格をなんとかしたいとの声もちらほら聞かれるようになってきました。

しかしながら2022年3月から現在までの米ドルに対する円の下落率は約26%です。仮に品質を落として価格を下げたとしても、さらに円安が進めが帳消しになってしまいます。

ターゲティングとの関係性もあります。

例えば私たちが製造している靴下を例にしますと、品質をとにかく履ければ良いというレベルまで落とすとワンコインショップとの競争になってしまいます。

仮に元々380円で販売されていた製品の品質をワンコインショップと同じにしたとして、もしも消費者がそれに気がついた場合、引き続き御社の商品をご購入頂けるでしょうか。

私たちは製品としての品質は落とすことなく、安さに頼らない製品づくりを検討されることをおすすめしております。

岩村耕平
合同会社ブリングハピネス代表社員
靴下ブランドを立ち上げる方に特化した靴下の製造サービスを運営しています。社員は私と台湾人同僚の2人。台北とJR中央線西荻窪駅前にある仕事場間のフルリモートで業務を行っています。本店登記はJR東小金井高架下。光栄のシュミレーションゲーム三国志にはまったことがきっかけで三鷹市の中国語専門学校に入学。紆余曲折を経て内モンゴルに留学。帰国後ぬいぐるみメーカーで9年間生産管理に従事したあと2014年に起業。2025/1/14~ブログ平日毎日更新挑戦中。
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