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ファブレス靴下製造業を営む僕が島精機製作所のデザインシステムを導入した理由とは?【2018年7月31日更新】

投稿日:2018年7月31日 更新日:

靴下のOEM製造業を営む僕らが、島精機製作所さんが開発した、デザインシステム「SDS-ONE APEX3」を導入して、1年になりました。

こちら、サンプルを製作することなく、イラストレーターで作成したデザインを、靴下に編んだときの編目や色へ変換し、バーチャル上でシュミレーションすることができるシステムです。

サンプルを製作するのと同じような画像を製作することができるので、サンプルを製作する前の段階で、靴下が出来上がったイメージを確認することができます。

バーチャルでの製作になるので、デザインの修正にもすぐに対応をすることが可能です。

デザインシステムを導入した理由とは?

弊社ホームページを訪問された島精機製作所の営業の方から、お電話で紹介頂いたのがきっかけでした。

当初僕は、靴下のサンプルに関わるコミュニケーションの煩雑さに悩んでいました。

  1. お客様からラフスケッチを入稿頂く。
  2. ラフスケッチを外注デザイナーに依頼してデザインを作成する。
  3. 完成したデザインをお客様に確認する。
  4. 工場にサンプル依頼する。
  5. サンプルが上がってきたらお客様に確認をし、OKになったら量産に入る。

上記が従来の流れです。ラフスケッチをデザインに起こして、お客様に提出をしてOKを頂くまで、膨大な時間がかかっていました。

やっとデザインが完成して、海外靴下工場にサンプルを依頼し、サンプルが上がってくるものも、お客様から修正のご指摘を頂き、やり直しの修正サンプルを製作することも多々ありました。

イラストレーターで製作した平面のスケッチと、靴下の編み時にしたときの色やデザインのイメージが異なってくるのが原因です。

編み込みの靴下を製作する際、デザインをドット絵に置き換えます。サンプルを製作する前に、ドット絵をお客様に確認頂いても、仕上がりをイメージできないケースが殆どでした。

靴下の色についても、糸見本帳で見たときと、編み上がったときの色イメージが違う場合があります。そうなるとサンプル修正回数がおのずと多くなります。

修正が重なると工場のモチベーションが下がってきます。初めは10日で出来上がってきたサンプルが、次回は14日、その次は20日とどんどん後ろ倒しになります。

お客様から厳しい叱責を受けることもありました。

デザインシステム導入後の、メリットとデメリットとは?

メリット

  • サンプル修正回数が減少

現在は、お客様から頂いたラフのスケッチから、ドット絵のデーターを製作して、デザインシステムでバーチャルサンプルを製作しています。

お客様に提出して、修正点があれば、とことん直してから、実際のサンプルを製作する流れです。

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ドット絵の製作は、工場または日本国内の外注先に依頼しますが、それ以外の作業は全て僕自身が行っています。お客様とのやりとりも僕が行っているので、コミュニケーションがスムーズになりました。

現在のサンプル製作回数は、平均1回、多くても2回目でOKを頂き、生産に入れるようになりました。導入前は、平均2〜3回、最高4〜5回程度でしたので、製作回数が半減したと言っても良いかもしれません。

  • 自らの手でデザインを製作することにより、「ものづくり」の感覚が向上

以前僕は、ぬいぐるみファンシー雑貨を取り扱うメーカーに勤めていました。海外工場とやりとりをする生産管理の業務を9年間担当しました。

当初、ミリ単位での修正を出すデザイナーに対し、疑問を感じることもありました。

自身でデザインシステムを使うようになって、ほんの少しではありますが、デザイナーさんの気持ちもわかるようになった気がします。

顔輪郭の大きさが1dot、肩幅が1dot違うだけで印象がガラリと変わる。

僕がお世話になっている日本国内の製作会社さまが、ドット絵を作る過程でTwitterでつぶやいたコメントです。

微妙なバランスの違いで、出来が大きく異なるのです。シンプルなデザインになればなるほど、それが顕著になって行きます。

  • 台湾工場が500足から製造してくれるようになった

従来、台湾工場の最低製造数は、1200足でした。

台湾工場のネックは、靴下のデザインをドット絵に置き換える作業をするデザイナーの人手不足です。

僕らも、デザインシステムの導入がきっかけになり、日本国内でドット絵を製作する製作会社様との業務提携を開始しました。サンプル製作時に、工場にドット絵を提供するという条件で、500足からの製造が可能になりました。

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デメリット

  • 業務提携先にシステムを設置しているため通う必要性がある

デザインシステムを導入するには、30代のサラリーマン平均年収くらいの金額が必要でした。弊社単独ではとてもじゃないけど導入することができません。

業務提携先にシステムの有用性を説明し、5年リースで共同導入しました。毎月のリース費用を折半で支払う形態です。

リース契約の関係で、東京の都心部にシステムを設置しているため、1時間かけてそちらに通う必要があります。

  • 業務量が増えた

工場で何度もサンプルを製作する必要がなくなった代わりに、僕自身がシステムを操作してバーチャル上の修正を重ねるようになっています。

靴下のドット絵に関しても、今までは全て海外靴下工場に依頼しておりましたが、現在5割は日本国内で製作しています。

お客様の利便性向上と、製造工場の業務負担軽減を同時に実現することができましたが、引き換えに僕自身の業務負担が増加しています。

まとめ

ここまで、僕が島精機製作所のデザインシステムを導入した理由についてご紹介してきましたが参考になりましたでしょうか?

ご質問、ご不明な点などございましたら、お気軽にご相談下さいませ。

 

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